《MUMEI》

そのときカタっと音がしたような気がした。確か扉は閉めたはず?七つあるシャワールームのカーテンはもうすべて開けっぱなしになっている。他に誰もいないハズ。自分が動いた音なのかもしれないと、一度止めたシャワーの栓をもう一度捻ろうとした瞬間凍り付いた。

「太陽…」

「いつからそこに居たの?」

 ニヤリとしたかと思ったら、まだ何も身に付けていないルナをいきなり押し倒し、体を拭いたあとのタオルの端を口に押し込み、カーテンレールの鎖で両腕を縛りつけ力ずくで襲ってきた。
 不意を付かれた一瞬の出来事だった。叫ぶことも身動きすることも出来ないまま、ルナは初めてを太陽に奪われてしまった。
 物凄い力なのにアイツは笑ってた。楽しそうに何度も繰り返し犯してきた。そこに私の感覚はなく、ただのモノとなって横たわっていた。

 これは私じゃない…

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