《MUMEI》

「太陽…茶々丸、どうしてー」

どう考えても琥珀が言い付けたとは思えない。そのとき私の体を押さえつけてる男が耳元で声を発した。

「結城ルナちゃーん、今の生活は満足ですかあー」

 どうして私のこと知ってるの?しかもフルネームで…

 始めは施設にいた茶々丸の仲間と思ったけど、こんなヤツ見た覚えがない。でも異様に垂れてる瞳はどこかで見たことがある様な…

 危機感の中、必死で思い出そうとする。ルナの体は茶々丸に引き渡され、再び体を拘束された。ニヤついた男のヤニと甘ったるいヘアムースの香りが、昔の記憶をリアルに引き戻させてむせ返りそうになる。
 施設で初めてのルナをレイプした男、茶々間太陽。そのときの後ろ手に巻かれた鎖と今ヤツが身に付けてる金属の音がリンクして吐きそうになる。
 しかもこいつらクスリやってラリってる状態。とくに相棒の方はかなり酷い。早くこの場から逃げ出さないとマジにヤバイ。ルナは焦った。最初にルナの腕を掴んだ男がフラリと近寄り顔を近付けて、

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