《MUMEI》 いやだ、戻りたくない! 気が狂いそうな自分を押さえ切れず、大声を出していた。 「やめて、やめてーーー」 取り乱したことのないルナが叫ぶとは、流石に茶々丸も驚いたのだろう。焦ってもうひとりの連れの男に命令する。 「おい!」 目配せでわかった!と頷いた男はクスリでフラつきながらも私の口元にタオルを当てた。 記憶が遠のいてゆく。ヘラヘラ笑ってる男たちの顔だけが視界を占めて、やがて薄れて消えてゆく。 二つのルナは、いま暗闇に落ちて行った。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |