《MUMEI》

その証拠に、病院から戻ったルナに夜中付き添ってやっと戻ったぼくの部屋には、明かりも付けずにボーっとベットの隅に立ち尽くしている白い少女の影がぼくの胸を締めつけた。せめて君の声が聞けたならどんなにいいだろう。哀しそうな瞳は何も映らない闇だけを見据えて、何も言わず、何も求めず。

 ぼくは、もうただ自分自身が情けなくて仕方がなかった。弱いだけの自分、キョセイを張るだけのおろかな人間。何一つ満足に出来ない雑然とした存在。自分を責めずにはいられなかった。
 
 数時間後、クーラーの最適な空調の部屋で少し青白い顔をしながら、ふんわりと毛布に包まれたJUJUをずうーっと眺めていた。

 このまま消えてゆくのではないだろうか?

 とゆう不安を覚えながらも僕はそっと後ろから抱き締めるように手を添えて、意味もなく涙を流してやがて眠りについた。

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