《MUMEI》

 JUJU…

 夢の続きを思い出すと怖かったけど、視線を隣に眠っているはずの少女に移して集中してみる。

 はあーよかった。

 布団は寝たときと同じようにふっくらしたまま、紅く染まりもしてなかった。どうやら深い眠りに入ってしまってたようだ。
ホっと胸を撫で下ろし両手で顔を拭って自分の脚や体を確認、こびりついてる涙や汗をパジャマの裾で拭う。
 ウッド調の重々しいブラインドの隙間から、眩しそうな光が部屋を貫いていた。

「もう、昼かあー」

安心としたのも束の間、再びベルが鳴り響いた。今度は携帯の音。落ち着いて出ると相手は茶々丸だった。どうやら目覚ましは掛け忘れたらしく、消したと思ってたハズのベルはぼくの携帯のトランス着信音だったみたいでー何やらしきりに文句を言っている。

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