《MUMEI》

息を切らしながらいつもの半分ほどの時間で噴水のある公園横に辿り着く。
 以外と早かったなーとでも言いたげな顔で、白い車にもたれ掛かりヘラヘラ笑っている茶々丸。そして横にも何やら焦点の合わないフラ付いたヤツがウロウロしている。

 こっちの方がある意味ヤバそうだな。

 今日は二人だけなんだーそう思ってすかさず辺りを見まわしてみると基本はいつもと変わらない光景、でも車の開いた後席の扉からルナがぐったりしてるのが見えた。フラ付いた男が車の外からたまに顔を覗いて突っついて遊んでいる。

「おまえヤリたいんだろ、こないだの礼してやろうと思って」

 言葉が終わらないうちに、ぼくは茶々丸に殴りかかっていた。ケンカ慣れしたヤツとの一騎討ち、もしかしたら相手は二人になってしまうかもしれないとゆうのに考えるより先に手が出ていた。お互い素手同士だったから、やはり茶々丸はかなり強かった。しかし運がいいことにもう一人の視線の定まらない男は意味不明なことを呟きながら公園からフラーっとと遠ざかって行ってしまった。

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