《MUMEI》

白くやわらかな肌はこの世のものとは思えないほどなめらかで、指先に宿る魂はぼくに大丈夫だからと、穏やかな安心感を与えて視線で勝利の勲章を与えてくれる。ぼくはルナの胸に顔を埋めて鼓動を確かめた。
 不確かな存在が今新しく息付き羽を広げて天空を舞い、ぼくとゆう固有な存在と共に神の祝福を受ける至福のとき。

 ルナ…

 空から舞い降りた天女。ほどかれた羽衣はベットの役割を果たし、裸体はしなやかにぼくと絡み合う。

 ホテルでの出来事以来、ぼくはルナに取り付いたかの如く夢中になっていた。ストーカーに近い行動までして線を越えてしまっていた。展開の早さに付いてゆけなくてどうして良いかわからなくなっていた。そしてルナを思い出すたびに覆い切れないほどの哀しみと闇を保つ瞳、白く透き通った肌が頭から離れることはなかった。聞いたことのないルナから漏れるわずかな声はぼくをより興奮させて、何度も尽きるまで二人は抱き合った。

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