《MUMEI》

数時間後、ぼくとルナはアクセサリー以外何も身に付けない状態でベットの横に座りもたれかかって居た。ぼくの肩にはルナの頭が安心感と共に乗っかっている。そしてルナは一つひとつ自分の言葉を確認するかのようにぽつりぽつりと語り出した。


 生まれたときからママの優雅な微笑みと、多忙を縫って会いに来てくれるパパの愛情は当たり前のもの。すべてに置いて荒れることのない他人から見ると憧れの生活。欲しいものは何でも手に入り、硝子の箱の中にさえいれば他人が羨ましがる絵に描いたような安らかな国のお城のお姫さまでいられた空間。やみくもに掴んだしあわせとは違ってすべてに置いて出来上がった環境。
 だけど、物心付いた時期に知った。二人はルナをただの宝石の一つとしか見ていなかったとゆうことを。そしてルナは無意識に車に缶を投げ入れた。

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