《MUMEI》

幼少の頃から壊れかけてた心は底辺に出来上がり、施設とゆう環境を経てルナは変化してゆく。リスカは紅い血液で心を満たしてくれる究極の雫。そして発作のように忘れた頃に起こる自己の炸裂。許せない人間とゆうモノにあってはならないこの世の存在。そして生まれることすら許されないと思ってる消滅の意識。頭の中にあるゼリー状の液体が溢れてどうにもならなくなって、結局いつもホテルにゆき限界を超えた自分をブツけて忌まわしい記憶を闇に葬る。
 ときには都会の路地裏に潜む、クラブ、ドレッドで同じように汚れた者たちと無茶苦茶になり、狂い、猛り、煙に酔い、ginを浴びて、誰にも邪魔されず、誰にも見つけられず…
 わずかにルナの表情がブレた様な気がした。

 ルナの坦々とした語りは一時間以上に及んだ。独り言のようにほとんど表情の変わらない横顔は、真っ白な仮面みたいに張り付いて外すことは決してない。ブルーな水槽の明かりだけが彼女にかろうじて光を灯し続けていた。

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