《MUMEI》

勝手に品種を決めてそのまま名前のようになって、パンとミルクを上げるのは当然日課になっていた。誰もいない二階に上がることもなく、ぼくはそのままリビングの扉を開ける。
 いつもの木陰にトラ猫はちゃんとスタンバイしていた。弟を失った哀しみはこの猫に伝わるのだろうか?そう思いながらいつものように床にミルクを入れた器と、パンを契って置いて上げる。

 だけど何かがおかしい?

 動きがなんだかギクシャクしている。こっちに向かって少しずつ近付いては来るけど、病気?冷やりとして目を凝らしてよく見てみると、何か木のヤリのような棒が体を斜めに貫いていた。目の前まで来た時には状況がすべて把握出来た。

 マズイよ、病院!

 これは人間がやったことに違いない。事故でこんな刺さり方をすることなんて有り得ない。もしそんなヤツを目撃したらと思うだけで、殴り殺してやりたいーとゆう怒りが込み上げて来た。

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