《MUMEI》 とにかく病院に連れていかないとーそう思ってリビングに置いて在る電話の置いてある棚から電話帳を抜き取って括る。動物病院なんて行ったことがないし、どこの病院がいいかなんてまったくわからない。大分血が出てるみたいだから早く連れて行って上げないと。焦る気持ちを押さえながら、走って行けるほどの近い場所を見つけて診療時間をチェックして電話番号をメモ帳に控える。 こうなったら飛び込みで病院に行った方が早い。グズグズしてると間に合わない。 そう決断してミルクやパンの手前で、ぐったりなってるメインクーンを抱きかかえようと持ち上げた。 「ダメだよ…」 メインクーンが再び息をすることはなかった。毛皮に詰めた砂袋がしなだれるようにグッタリと温かみだけを残して… 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |