《MUMEI》

脚をブラブラ揺らしながら、まるで少女の頃に戻ってしまったみたいに。嬉しそうに、穏やかな微笑みを浮かべて、天使の囀りのように。

 ここは確か九階だよな…

 我に返って思い出して冷やりとしながらも、どうしたらいいのかと一生懸命思考しようと試みてみる。開いてる出窓をバックに座ってるルナに気を取られて、なかなか救急の電話をかけられないぼくは次第に焦りを感じてきた。

「ルナ?」

 再び呼びかけてみたけど、さっきと同じに反応は無い。声を持たないJUJUがもし歌をうたえたら、きっとこんな感じだったのかもしれない。最悪の緊急事態だとゆうのに、ルナと白い少女を重ね合わせては哀しみを巡らせていた。

 そして勇気を持ってルナに近付き、そっと手を差し出してみた。すると儚い瞳を持つ少女に戻ったルナは、不意に顔を上げてぼくの瞳を見た。優しい微笑みは永遠を約束された天使からのプレゼント。なんて優しく穏やかな表情をしてるんだろう。

 ルナ…

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