《MUMEI》
再会
全員が校門を乗り越えたとき、
「ちょっと待て!」
マキだ。マキの声がした。千秋は後ろを振り返る。
「オレも一緒に・・・」
マキは恥ずかしそうにうつ向いた。
何を言いたいかは皆が分かった。壱をのぞいては。
「・・・一緒に行こっか!」
実羽は微笑んだ。
「ありがとう。」
マキは照れくさそうに言った。
マキをくわえて5人は校庭の桜の木の方へ向かった。
「あっ!」
実羽は声をもらす。
「どうした?」
千秋は実羽を見ながら言った。
実羽は人差し指で桜の木を指した。
桜の木の下には三年前。千秋を連れて行こうとした、髪の長い。女の子がいた。
「久しぶりだね。なんて私の事なんか忘れた?」
女の子は千秋の方へ歩いてくる。
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