《MUMEI》

「──左様でございますか──」

「ぁ、無理──しないで下さいね、絶対って訳じゃ──」

「ぃぇ、鳳様のご用命とあらば──」

「大丈夫、ですか‥?」

「はい、参りましょう──音無様」

「あの──」

「?」

「さん、で──いいですよ? 私、鳳サマ方とは違いますから──」

「ぃぇ──敬意を表しての事でございます故」

「ぇ、ぃゃ、あの‥‥‥」

「──オイ蘭、いつまで待たせんだ飯冷めちまうだろ」

「ぅあッ‥スイマセンっ」





鳳君達待たせてたの‥

すっかり忘れてた‥。





「音無様──」

「はい?」

「やはり、鳳様がお選びになられたお方──」

「ぇ‥」





ポカンとしたら、

柏木さんは微笑んだ。





「──独り言でございます」

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