《MUMEI》

「蜜、お前‥意味分かって言ってんのか」

「ぇ?」

「結婚とか簡単に口にすんじゃねぇよ」

「だってもうボク決めたもん♪」

「‥てめぇ‥」

「ラン〜っ、お兄ちゃんが恐い〜」

「ぇ、‥ぇ‥」





食事中に抱き付かれて‥

しかも‥

隣りからは殺気‥。





柏木さんだけは、

何だかにこやかにしてる。





「あの‥柏木さん──助け──」

「ご心配なさらず、お二人は音無様をお想いになられるが故に──」

「‥ん"っ、ん‥」





柏木さんの台詞を遮るように、

鳳君が大袈裟に咳払いした。

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