《MUMEI》 体当たり「ちょっと思い付いて──」 俺は助走を付けて、 結界に横から体当たりした。 「──!?」 やっぱり、 びくともしない‥。 “お兄ちゃんっ、何してるの‥? 怪我しちゃうよ‥?” 「いや、体当たりなら何とか出来るかもって──」 “だめ‥。この結界はすっごく頑丈なの‥。それにお兄ちゃん‥” 「‥‥‥‥‥‥‥」 ──ずっと捜してた物が、 すぐ目の前にあるっていうのに。 ハナは、 ずっと独りで頑張って来たのに。 ここで引き下がったら馬鹿みたいだ。 あんな奴の結界‥ 絶対ぶち破ってやる。 前へ |次へ |
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