《MUMEI》

「お兄ちゃんがイジワルするからいけないんだもん」

「してねぇだろ、何も」





鳳君はグラスの水を飲み干して、

お皿をキッチンに運びに行った。





「ねぇラン」

「ハ‥‥‥ハイ?」

「ボク──やっぱりランの事スキ」

「───────」

「スキなんだもん‥キライになれないんだもん‥‥‥」

「えっと‥」





何て言えば‥?





「──お前、また出て行こうかとか考えてねぇよな」

「!?」

「‥‥‥柱に繋ぐぞ」

「いえっ、そッそんな事全然思ってないですからっ」

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