《MUMEI》

パンッ!…パンパンッ!!



『うあああッ!!』



猪俣の浅い眠りを醒ましたのは、銃声と弟分達の悲鳴だった。



猪俣の眼が、暗がりで鋭い光を放つ…!



猪俣は真っ暗な仮眠室のベッドから飛び起きると、枕もとのM9(自動式拳銃)を掴んだ。



靴を履かずにベッドから降りると、ドアに耳をあてて、事務所内の様子を探る。



銃声は既に止んでいた。



ということは、事務室内に居た弟分達は絶望的だ。



猪俣はM9のセーフティー・レバーを解除する…。

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