《MUMEI》

「よいしょ‥」





これでよし──。





「‥?」





袖‥

掴まれてんだけど‥。





「‥いっちゃやだ‥」

「──ぇ」




何‥?





「‥‥‥ママ‥‥‥行かないで‥ボクの事置いてかないで‥‥‥」

「蜜く‥」

「わがまま言わないから‥‥‥いい子にするから‥‥‥」

「──行かないよ、どこにも」

「──ほん‥と‥?」

「行かないから。ずっとここにいるから」

「───────」





蜜君が、

ちょっとだけ笑った。





私の袖を、

しっかり掴んだまま──。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫