《MUMEI》

「気持ち籠っとったら何でもええやん?」

「ぇ──」





そういうもん‥

なんやろか。





「碧い石──きっと碧依ちゃんに似合うと思うで?」

「───────」

「ん?」

「ぃゃ、初めてやから──よう分からん事ばっかりやし‥」

「誰でもそうやな、あんただけやないて」

「瑠奈姉はどないやったん‥?」

「あたし? あたしなぁ──いっぺんだけプロポーズされた事あってん」

「いっぺんだけ‥?」

「まだ短大におった頃、1年下の後輩から屋上に呼び出されてな? 何やろて思たら──いきなり『結婚して下さい』て」

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