《MUMEI》 「──で、ソイツの事気になってんのか」 「だって、すっごい寂しそうだったから、何か──」 「──────‥」 鳳君が、 溜め息をついた。 「しょうがねぇよ、父さん達が蒸発したの‥あいつが5歳なりたての頃だったしな」 「5歳‥って‥まだ幼稚園‥!?」 「──ま、そういう事だな」 「そういう事だなって‥」 「俺は‥‥‥丁度小5だった」 「ぇ、じゃあ今の蜜君位‥?」 「‥アイツより1年上だ」 「あんまり変わんなくない‥?」 「うるせぇよ」 「スイマセン‥」 「‥っと、だから‥アイツ泣いてばっかいて──」 「‥‥‥‥‥‥‥」 「‥何つーか、見てらんねかった。朝から晩まで、ソイツの部屋からは泣き声ばっか聞こえてきて‥」 前へ |次へ |
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