《MUMEI》 「ほんで──どないしたん‥?」 「何でやろなぁ──断ってもうたんよ、あたし──」 「ぇ?」 「けったいな話やろ?」 「相手が嫌やったん?」 「そやなかったんけど──」 「ほな何で‥?」 「そこが問題なんよなぁ」 「瑠奈姉──良かったん?」 「どやろな──今でも分からん。でもな──」 「?」 「嬉しかったわ。あん時──」 瑠奈姉は、嬉しそうな、悲しそうな、懐かしそうな──色んな気持ちの交ざった目をしとった。 「あんたはちゃんと気持ち伝えてな? もう碧依ちゃんは分かっとるけど──」 前へ |次へ |
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