《MUMEI》
滅却
俺は大鎌を拾って、

そいつを睨んだ。





「‥‥‥‥‥‥‥」





こいつを‥

どうにかしないと。





‥なのに。





‥手が、

震える。





「──っ」





俺は、

大鎌の切っ先をそいつの脳天に振り下ろした。





どす黒い、

闇みたいな物が噴き出して、

慟哭に似た悲鳴が、

森中に響いた。





「‥‥‥消え‥た‥?」





握っていた奴の大鎌も‥

消えた。





“──お兄‥‥‥ちゃん‥”





微かに、声がした。





‥ハナの声だった。





「ハナ‥あいつは‥」

“‥お兄ちゃんが‥やっつけ‥たんだよ‥”

「ぇ」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫