|
《MUMEI》 亜子と三咲二人は今18で、小学校からの知り合いだった。 とは言え、小学校の時に一度同じクラスになっただけで、さほど仲が良かったわけではない。 グループが違ったからだ。 亜子は比較的、大人しいグループにいたし、三咲はクラスの女子の約半分を占める、大きなグループにいた。 暗黙の了解で、そのグループを出た範囲で遊ぶ事はない。 それでも何の偶然か、一度だけ二人で下校した事があった。 けれどもそれだけで、三咲は中学に上がるとすぐに引越しをしたし、亜子はそのまま、地元の中学を卒業した。 再会したのは、高校に上がってすぐだ。 高校の友達を通してだった。 「すぐにわかった。亜子ちゃん全然変わってないから」 と言う三咲の名前を言われても、亜子は初め、全然ピンと来なかった。 三咲はとても女らしくなっていた。 軽くパーマをかけた肩までの髪、贅肉がうっすらと付いた程よい二の腕。 「三咲はわからなかったよ。女の人みたいじゃん」 亜子の言葉に三咲も友人も笑っていたけれど、亜子は本当にびっくりしたのだ。 その後二人はすぐに仲良くなった。 三咲は高校2で学生を辞めてしまい、今は親戚の叔母さんの飲食店を手伝っている。 今年の夏休み、亜子は三咲のアパートに転がり込んだ。 もちろん、亜子の両親はトンデモナイと大反対だったが、何とか説き伏せた。 元々、亜子の両親はちょっと変わっていた。変なところで放任主義だ。 今回の「トンデモナイ」も、大学受験の大事な時に。…と言う理由ではなく、三咲さんに迷惑が掛かる、とかそんな理由で、二日に一度は電話を入れる事と三咲の手伝いをしっかりやる事を条件に、了解を貰った。 これから一ヶ月、二人で過ごす夏休みだ。 前へ |次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |