《MUMEI》
別れ
“ごめん‥‥‥お兄ちゃん‥”

「ハナ‥?」

“‥‥‥約束‥守れなくなっちゃった‥”





やっとの事で目を開いたその顔には、

涙が溜まっていた。





“‥ありがとう、お兄ちゃん‥‥‥手毬‥見つけてくれて‥”





ハナの体の色が、

どんどん薄くなっていく。





“──ごめんなさい‥”

「っ‥」





俺の腕の中で、

ハナの体がサラサラと崩れていく。





「‥消えるなよ‥」





どんなに強く抱き締めても、

留める事が出来ない。





それは光の粉になって、

すぅっと‥

消えてしまった。





「‥‥‥ハ‥ナ‥」





嘘だろ‥?





‥本‥

当に‥。




 ・・・・・・
『存在が消されちゃうの』





ハナの、

あの台詞が‥

響いてきた。





「‥‥‥‥‥‥っ」





目が、

熱い。





「返せよ‥! ハナを返せよ‥!!」





返せよ‥‥‥。

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