《MUMEI》 別れ“ごめん‥‥‥お兄ちゃん‥” 「ハナ‥?」 “‥‥‥約束‥守れなくなっちゃった‥” やっとの事で目を開いたその顔には、 涙が溜まっていた。 “‥ありがとう、お兄ちゃん‥‥‥手毬‥見つけてくれて‥” ハナの体の色が、 どんどん薄くなっていく。 “──ごめんなさい‥” 「っ‥」 俺の腕の中で、 ハナの体がサラサラと崩れていく。 「‥消えるなよ‥」 どんなに強く抱き締めても、 留める事が出来ない。 それは光の粉になって、 すぅっと‥ 消えてしまった。 「‥‥‥ハ‥ナ‥」 嘘だろ‥? ‥本‥ 当に‥。 ・・・・・・ 『存在が消されちゃうの』 ハナの、 あの台詞が‥ 響いてきた。 「‥‥‥‥‥‥っ」 目が、 熱い。 「返せよ‥! ハナを返せよ‥!!」 返せよ‥‥‥。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |