《MUMEI》

  雨は好き

汚れも
  体温も
声さえも

目茶苦茶に奪っていく。



ビニル傘を差す。
恋人を待つように
 静かに立つ。
水溜まりで包帯のズレを直した。


「静かにしてて皆。」
高まる気持ちを声に出して抑えた。

あしおとだ


来たよ
観ててね
愉しい戯曲が始まるよ

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫