《MUMEI》
お楽しみ
──家に着くと、

俺達のお楽しみが始まる。





“──蓮、てれび≠トほんまおもろいなぁ──”





隼は、

テレビに夢中だ。





へばり付くようにしながら、

食い入るように画面を見つめている姿は、

結構可愛い。





隼がテレビに釘付けになっている間、

俺はハナと話をする。





本を読んだり、

音楽を聴いたり──

そういう事が、

ハナは凄く楽しいらしい。





でもやっぱり、

一番楽しいのは手毬突きらしくて。





体を貸してやると、

開きもせずに手毬を突き続ける。





楽しげな手毬唄を歌いながら。

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