《MUMEI》 囁き (完結)──夜。 「ハナ、起きてるか‥?」 “──うん、起きてるよ” 「良かったよな、手毬見つかって──」 “うん” 俺の中にいるハナが、 嬉しそうに言う。 “それに──お兄ちゃんと一緒にいられるもん” 「ハナ、俺──」 “──?” 「俺も‥大好き」 “ぇ” 「ハナの事──大好きだ」 ──本当に。 “おやすみ、お兄ちゃん” 「──おやすみ」 俺は、 目を閉じた。 一つ、 不思議な事がある。 あの夜から毎晩、 寝ていると── ハナの声が聞こえてくる。 夢なのか、 ハナの寝言なのか──。 嬉しそうな声で、 ハナが囁く。 “──ありがとう、お兄ちゃん” ◇◇◇ 『ハナと約束』‐完結 前へ |次へ |
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