《MUMEI》

「ふむ‥仕方あるまいな。そこまで言うのなら──打ち切るか」

「‥おい」

「?」

「‥カメラ、置いてけよ」

「何故だ?」

「‥何となく。無断で写真使われても困るし」

「信頼がないな──」

「‥うるせぇ。──ほら寄越せよ」

「〜〜〜‥分かった」





野崎さんは、

渋々カメラを鳳君に手渡した。





「では、私はこれで帰るとしよう」

「ぁ、の‥野崎さん──」

「ん、何だ音無──気が変わったか?」

「ぃぇ、そうじゃなくて──」

「んん‥?」

「いつから勘付いてました‥?」

「フッフッフ──気になるか?」





野崎さんは、

得意げに笑った。

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