《MUMEI》
穏やかな毎日、
10時過ぎ携帯から着信。
『お早う。高柳樹、
今から指定する場所に来い
彼女が待ってる。』
突き落とされる平凡
無理矢理家族を振り切って自転車で走った。
学校の裏にある叢へと指示を受ける。
電話越しの声に記憶がある学校の隅で若菜に絡んでいた奴だ。
悪い予感
「…………若菜!」
自転車を投げ出して木の合間を縫う、脇腹が痛む。
「田畑さんの彼氏は時間にだらしねぇなあ?」
笑い声。
十人くらい大柄の男がいた、暗くて顔は判別できない。
若菜らしき足が見える。
熱い怒りが沸き上がり、自制が困難だった。
「―――なんだよ!
俺が何やったっていうんだよ!」
つい、思ったことを口に出してしまう。
「――――――は?」
周りのどよめき
猜疑の声
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