《MUMEI》

「眞野っち‥‥‥、ぇ、これ‥‥‥」

「プレゼントや」

「プレ‥ゼント‥?」

「開けてみ」

「ぇ、でも‥‥‥これ」

「『守ったる』て事ともう1つ──約束したやろ?」

「ぇ」

「『幸せにしたる』て」

「───────」





碧依は小箱の蓋を開けた。





「‥碧い‥石‥」

「綺麗やろ?」

「あの、ほんとにこれ‥」

「はめたるな」

「ぇ‥」

「──手、貸してくれへん?」

「は‥‥‥はい」





おずおずと差し出された、

左手。





その薬指に、

指輪をはめたった。





「おー、むっちゃ似合うとるやん」

「──っ‥」

「‥碧依‥?」

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