《MUMEI》

「蜜君」

「?」

「優しいんだね」

「何で?」

「お兄ちゃんの為に──」

「ち‥違うもん」





蜜君は土鍋に水を量って入れながら、

呟いた。





「お兄ちゃん元気になんないと、ラン困るでしょ?」

「ぇ」

「だからやってるだけだもん」

「それにボク──ランがそういう顔してるのやだし」

「そういう顔‥?」

「うん。──何か悲しそうだから」

「───────」

「あっ、吹きこぼれてる吹きこぼれてるっ」

「‥!!」





ヤバッ‥。





「──はぁ‥」





危なかった‥。





「後はもうちょっと煮込めば出来上がりだよ♪」

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