《MUMEI》

「落ち着いたか?」

「───────」





頷いて、

碧依は笑うた。





「これ──」

「?」

「空、みたいですよね」

「色が──か?」

「はい」





太陽に空かして、

うっとりしながら石を見つめとる。





「空みたいで──凄く──ホッとするような気がして──」

「お前の心も──いつも晴れるとええな、その碧みたいに」

「もう──曇ったりしませんよ」

「‥?」

「眞野っちが照らしてくれますから」

「──そやな」





オレが照らしたる。





──オレが、

お前の心照らしたる。

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