《MUMEI》

──碧い、

空みたいな。





先生が私にくれたのは、

そんな色の石がはめ込まれた指輪だった。





「───────」





──綺麗。





眩しい位に、

キラキラ光って。





「──あの‥」

「ん‥?」

「私──」





次の言葉を言う為に、

大きく、

息を吸い込む。





「──眞野っちと結婚したいです」





こんな所で、

言っちゃいけない事だって分かっていたけど。





どうしても、

自分から言いたかった。





待つばかりじゃ、

幸せは掴めないような気がして。

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