《MUMEI》

その質問にJ社長とS専務……そして社長の左隣に座っていたA常務の顔も氷ついた!



おむすび顔の記者の嫌味な質問は尚も続く――…



記者B「まさかT物産が実体の無い会社……いわゆるダミー会社ということはございませんか?」



J社長「えー、あの……その……。」



A常務「そのような事実は我々も認識しておりません。」



口籠る社長を差し置いて、A常務が記者Bの質問を断ち斬った…!



この丸顔で団子鼻のA常務は、若い頃からJ社長の懐刀として会社を切り盛りしてきた辣腕だ。



記者B「認識していなかったで通用するとでも思ってるのですか!?」



おむすび顔の記者は、ここが攻め処とばかりに強い口調で叫んだ。



弱り眼で怯えるJ社長は、A常務に目配せしフォローを求めた――…。

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