《MUMEI》
新たなる仲間
あのあと、海に助けられてからの記憶がない。後日談…みたいになるけど、一応先生は海があのあと何とかしてくれたらしい。すっごい強かったからなんとかなるとは思えな…いや、海=魔王だし…きっと先生がなんか海に失礼なこと言ったんだと思う…多分。

先生の暴走で半壊した生徒指導室は、もともとちょっと離れてたのもあって、2階が崩れないように柱だけ残して駐輪場として使われることになったらしい。ボクはまだ見てないけど、なんでも…まるで不良の人たちがイジメに使う場所みたいに、くらーい雰囲気で結局誰も使ってないんだって。

先生はあのあと無事に正気に戻ったらしくて、そのまま全部自分のせいだって言い残して自ら教師を辞めてった。せっかくわかり会えるかもって思ったのにな…。あ、ちなみにその先生の自主退職と、海が「あたし達は大丈夫」的なフォローがあって、幸いあんまりニュースにはならなかったみたい。…まぁ、この事件があった次の日に岡根市の教育委員長が何かのショックで倒れたなんてニュースやってたけど…まさか関係ないよね?

そして、海は不思議なことに両足の軽い打撲だけですんだらしい。まぁ、極度な疲労とかで1日寝通したらしいけど…今は元気にボクを誘惑してくる。ホント困ったもんだよ…あうぅ。

…ん?ボク?ボクはねぇ…





「2週間の入院でもラッキーみたいなもんだぜ。つーかゴリ助と【殴る】Verbの最強コンビからよく生きて帰ってこられたな、陸。」

「ホントだよ…最後殴られた時背骨折れたかと思ったもん。ホント生きてて良かったぁ…。」

「あたし!あたしがあいつ倒したの!すごくない?ねぇすごくない?あたしチョーつよーい♪」

「う、海!?ここ病院だから静かに…」

「また加東くんのとこ!?いい加減にしなさい!!」

「「「は、はい…」」」

あーあ…また看護婦さんに怒られちゃった…あうぅ。


今ボクは、あの時の怪我で岡根市立病院に入院している。なんだか海が運んでくれたらしく、もし病院に来るのがもう少し遅かったら出血が多すぎてオダブツだったらしい…あうぅ。海、ホントに…

「ありがと、海のおかげだよ。」

「…。」

あ、あれ?黙っ…海の顔から湯気?

「もう無理ぃ!!我慢できない!!空、ちょっと30分くらい外出て時間つぶしてて!」

あ、そんなに叫んだら…

「は!?お前ここで「うるさーい!!」…すんません…。」

はぁ…ボク一応患者なのにな。

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