《MUMEI》

雅治「本物が好きなら、個々にあるぜ」
 
自分の股間を指差して言った
 
茜「……」
 
雅治「あの、婚約者は?ど うしてる?」
 
茜「当局に、身柄、拘束さ れてるわ」
 
雅治「そうか……お前…趣 味悪いなぁ…」
 
茜「ち、違うわよ、父が… …」
 
雅治「政略結婚か?」
 
茜「…そうね……そう、さ せたかったみたいね…」 
雅治「寝たんだろ?」
 
茜「…寝たわよ…何度か… 何で、そんな事聞くの? 」
 
雅治「悪魔の薬を、処分し なきゃならない…」
 「今、この世にある、現 物をな…」
 「お前も、付いて来るん だろ?」
 
茜「…えぇ…見届けるわ」 
雅治「孝志だっけ?…奴は 、薬を欲しがってた」
 
茜「私を、疑ってるんです ね」
 
雅治「念のためだ…気を悪 くするな……」
 「立場が、逆なら、お前 も、そうするだろ」
 
茜「…そうね…」
 
雅治「男と女は、肌を合わ せると、多少なり、情が 生まれる……」
 「特に、女はな…」
 
茜「…… 一般論でしょ」 
雅治「そうだ、…お前が当 てはまるかどうかは、知 らんがな、…」
 「まして、子供でも、出 来たら、特に、女は変わ るだろう…」
 
茜「ご心配なく…」
 「私は、妊娠しない身体 ですから…」
 
雅治「……」
 
茜「私たちはね…、身籠っ ちゃいけないの…」
 「新たな、火種になるで しょ……」
 「だから、…そうならな いように…」
 
雅治「徹底してるね…」
 「孝志は、知ってたのか ?」
 
茜「知らないでしょうね… …元々、用が住んだら… あんな奴となんて…」
 
雅治「……」
 
少し、茜が見えて来た気がした
 
雅治「茜……お前は、なん で、爺さんや、父の言い なりなんだ?」
 「寝ろと言われたら、寝 れるねか?」
 
茜「……そう言う教育され て来てるの……」
 
雅治「俺が、お前を信用出 来ないのが、ソコなんだ よ、 お前の意志が無い ……だから、判断出来な いんだ…」
 
茜「……」
 
外では、雷がなってる…
 
俺と茜は、目を合わせたまま…睨み合いが続いてた
 
 
茜を、信用出来なければ、連れて行かない
 
俺は、そう、決めていたんだ

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