《MUMEI》
天井裏
「ぅゎ‥」





本当に真っ暗だ‥。





“ええと‥、おお、これだこれだ”

「? それなあに?」

“これはな、ただの石だが‥綺麗だから持っていたのだ。ここに来る前に見つけてな”

「そうなんだ──」





本当に綺麗な石──。





「ねぇ、これ光ってるよ?」

“──ぁぁ、これだけが私の明かりだった”

「何でずっと隠れてたの?」

“人間には──見つかってはならん事になっていてな”

「どうして?」

“妖だからだ”

「どうして妖だと見つかっちゃいけないの?」

“むっ‥私に訊くな”





しずくは不機嫌そうに、

そっぽを向いた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫