《MUMEI》
土産依頼
修学旅行前日。


「やっぱり●キャラメルでしょ!」


部活に出てきた俺を捕まえ、相田先生が力説した。


「そうですね、最近人気ですし」


いつの間にか近くにいた部長もニッコリ笑って頷いた。


「俺が、買ってくるんですか?」


恐る恐る確認すると


「「もちろん!」」


声を揃えて言われた。


「何で、俺だけ…」


(部員は他にもいるのに)


二年生部員は少ないが、俺の他にも何人かいた。


「だって…」

「ねぇ?」


(?)


珍しく歯切れの悪い二人に俺が首を傾げていると


「祐也が一番買い物少なそうだからだよ」


頼がやってきて、説明した。


更に詳しく話を聞くと


俺の他の部員達は


自分の買い物をたくさんしたり


山ほど土産を買う予定があるらしい。


「だからって」

「去年私もちゃんと買って来たし」


(う!)


『何で俺だけ』という言葉は、部長の一言で言えなくなった。


更に


土産代を、相田先生と他の二年部員が出すからと言い出して…


「わかりました」


結局俺は、渋々依頼を受けた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫