《MUMEI》 志貴からの電話(え〜と、後は…) その夜 自分の荷物を入れ、最後に俺は春日さんへの土産を入れた。 (喜んで、くれるかな) それは、春日さんが好きだと言っていた色 藤色の膝掛けだった。 (志貴も大丈夫だって言ってたし) センスのいい志貴と選んだ物だから、気に入ってくれれば嬉しいと思った。 そんな、穏やかな気持ちの中 鳴った電話は、志貴からだった。 「はい、も…」 《一体どういうつもり!? 祐也!?》 … 志貴の怒鳴り声で穏やかな空気は粉砕された。 (もしかして、あれか?) 心当たりがある俺は、恐る恐る確認した。 「ら、頼と柊…」 《来たわよ! 頼からは嫌味たっぷりに! 柊はもう涙ながらに!》 (やっぱりか!) 昼間 頼は直接 柊はメールで、俺に土産を催促してきた。 俺は、それに対して 『俺じゃなくて、志貴に頼め』 と言い、断ったのだ。 《しかも、厳や祐の分まで押しつけるってどういう事!?》 「そ、そっちは文句無かったんだろ? 俺だって、石川と忍の分…」 《くるみは知り合い全員にねだってる!》 「…ごめんなさい、でも絶対志貴の方がセンスあるし」 前へ |次へ |
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