《MUMEI》

「‥もう慣れた」





鳳君の横顔が、

暗く見える。





「‥ほら、遅刻するぞ」





何事もなかったみたいに、

スタスタ歩き出した鳳君。





「おい、何ボケッとしてんだ」

「ぇ‥ぁ‥ごめん‥」





鳳君‥

大丈夫かな‥。





「‥気にすんな」

「───────」

「行くぞほら」

「ぅあっ‥ちょっと!?」





何でそんなに‥。






「わッ‥」

「‥!?」






あたしがぶつかって、

鳳君が倒れ込んで来た。





「ぃっ‥た‥‥‥」






ていうか私‥

今どういう状況‥!?

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