《MUMEI》

お母さんのアレっていうのはねぇ…イャァァァァァァ!!

…だめだ、アレを喋ろうとするだけでも…

…うん。ボクあれなんて知らない!知らないんだ〜♪

…やっぱり無理だ。はぁ…。


そうして、殺人的問題集に無謀なバトルを繰り広げながら今日が過ぎていった…。



―――――――――


「ここは…そう。そんで…あ、そうじゃなくて…」

「あうぅ…頭いだい…」

次の日。ボクは引き継ぎ加東家魔王の置き土産と戦っていた。

「これでどう?」

「…うん、合ってる。」

「やったぁー!…や、やっと古典終わったぁー…。」

ちなみに古典は第1章の第1部。この後現代文をやって、初めて国語が終わる。…死ぬ…ボク間違いないなく死ぬ…。

まぁ、でも今日は大丈夫!なんたってボクの幼なじみの中には…

「いやぁさすがだね!スッゴく頼りになるよ!やっぱりこーゆー時は【神の申し子】本領発揮だよね…









海!」

…そう、【神の申し子】こと伊吹海だ。実は天才と言えば伊吹海って言うほど海は頭がよくて、15歳の時に日本屈指の国公立大学が10校ほど推薦に来たくらいだ。まぁ、海はそれでも勉強嫌いらしいから全部断って、好きだったボクが行く高校についてきたって訳。…エヘヘ♪

「どぉしたの?あ、まさかこの後のこと想像して…いやん♪陸ったらえっちぃ♪」

「ち…違うよ!」

頭脳明晰、さらに魔王なだけにスポーツ万能。外見もほとんど完璧な海。ほんとにさ、たまにボクが彼氏って信じられなくなるときあるんだよね。

「さぁ!さっさと現文終わらせて子作り…いや、えっちするわよ!」

うわぁ…言い直してそれかい。よりストレートになっちゃったよ。

…とまぁ、ボクと付き合い始めてからみんなにバレた唯一の海の欠点。それが、思春期の男の子なんか比べ物にならないくらいの性欲の持ち主ってこと。…いやまぁ平たく言えば変態だけど。しかもボク限定…はぁ。

「でも…」

「ん?どしたの陸?…あ、待ちきれない?仕方ないなぁ…」

完璧じゃなくて欠点もあるってことと、それはボクにしか向かないってこと。これって嬉しいことだと思うし、このお陰で安心してボクは海を愛せる。

「カーテン閉めるね♪陸以外には恥ずかしいもん…♪」

なんかものすごい聞こえは悪いけどさ。海…ボクだけの変態でいてくれて、本当に…

「ありがとう…って。」

「へ?どういたしまして?」

…前言撤回。

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