《MUMEI》

今日は部活の練習あらへんみたいやから──丁度良かった。





グラウンドは貸し切りや。





「──ほなまずは──、て碧依‥?」





碧依──いきなり走り出してもうた。





「ぉ‥おい──準備体操せな怪我してまうで?」





聞いてへんみたいやな──‥。





大丈夫やろか。





『私──ちゃんと最後まで走れるようになりたいんです』

『───────』

『お願いしますっ』





あん時のあいつの目──むっちゃ本気やった。





あんなあいつの目ぇは‥今まで見た事あらへん。

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