《MUMEI》

「‥どうかしたかよ」

「ぃ‥‥‥いえっ」





ただ‥

どうしたら鳳君に笑ってもらえるのかなぁと‥。





「‥‥‥‥忘れちまったんだ」

「ぇ」

「‥‥‥笑い方」

「笑い方‥?」

「‥ガキの頃は‥当たり前に笑ってた。‥‥‥アイツと同じ位」

「蜜君‥みたいに?」

「──信じらんねぇだろ」

「ぃ‥いえっ‥」

「‥やっぱ父さん達がいなくなってからだろうな‥‥‥」

「鳳君‥‥‥?」

「‥蜜がバカみてぇに泣いてたから‥俺だけはちゃんとしねぇとって」

「‥泣かなかったのも‥‥だから‥?」

「──柏木がいてくれたからまだ良かった」

「──スイマセン‥何か私──」

「‥バーカ」

「──ぇ」

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