《MUMEI》

なんとなく、
把握してきた
金谷ルナという生き物は欲望に正直なのだろう。

人間は死に近い方が儚く美しい
こんな正直者だから
醜さを汚さを妬ましさを
人間を投影してしまうのか


「あんたさ、食欲も睡眠も性欲にも素直でしょ」

「……性欲。」
ルナは嫌な所を拾った。
「そうかな?
あと、今は4時5分」
付け足す。


「なっ、アンタ聞こえてたんじゃない!」
シカトしてたんかい。


「集中して胸部塗り切りたかったんだ。」
白に近い肌色がルナの隙間から見えてきた。


すごい…………
「見ていー?」
ルナの横に並ぶ。
至近距離で絵をまじまじと見つめた。   繊細な描き込みが分かる。
「凄い、ねぇどうやって描いてるの?
デッサン力があるからなのかな。ああ、触りたい」




「マゼンタも素直だよ」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫