《MUMEI》 なんとなく、 把握してきた 金谷ルナという生き物は欲望に正直なのだろう。 人間は死に近い方が儚く美しい こんな正直者だから 醜さを汚さを妬ましさを 人間を投影してしまうのか 「あんたさ、食欲も睡眠も性欲にも素直でしょ」 「……性欲。」 ルナは嫌な所を拾った。 「そうかな? あと、今は4時5分」 付け足す。 「なっ、アンタ聞こえてたんじゃない!」 シカトしてたんかい。 「集中して胸部塗り切りたかったんだ。」 白に近い肌色がルナの隙間から見えてきた。 すごい………… 「見ていー?」 ルナの横に並ぶ。 至近距離で絵をまじまじと見つめた。 繊細な描き込みが分かる。 「凄い、ねぇどうやって描いてるの? デッサン力があるからなのかな。ああ、触りたい」 「マゼンタも素直だよ」 前へ |次へ |
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