《MUMEI》

「──んで、このプリクラってのはどこに貼っ付けんだ」

「ケータイとか──」

「‥ケータイに貼っ付けんのかよ」

「どこでもいいみたいだけど──」

「‥ふーん」





鳳君は、

1枚だけ台紙からはがしてケータイに貼り付けた。





「──俺──」

「ぇ?」

「こんな顔すんだな、お前といると」

「───────」

「何か──お前といる時しか笑わねぇみたいだ、俺」

「そうかなぁ?」





確かに‥

鳳君が独りで笑ってるとこって見た事ないかも‥。





無表情っていうか、

嬉しいとか、

楽しいとか、

そういう顔はしてないような気がする。

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