《MUMEI》

新品のシャツに着替えた
 
腕を斬られた、縫い傷
 
銃弾を浴びた跡…
 
周りの視線が、妙に気になる
 
雅治「こいつら、ホモか? じろじろ人の裸見て」
 
茜「…よく、生き残ったよ ね……久保田と対峙して …」
 
辺りが、引きつるような緊迫感に包まれた
 
茜が涙ぐむ…
 
清次「茜、誰なんだよ…そ いつ…」
 
楓「清次! 口を謹みなさ い!」
 「神無月家の、ご子息、 雅治様ですよ!」
 
清次「な!…神無月…」
 
茜「間違いないみたいよ」 
雅治「……」
 
楓「雅治様、厚かましい、 お願いがございます」
 
なんか…俺、嫌な予感がする……
 
 
楓「私共、水無月は、反乱 者を出してしまいました 」
 
雅治「父と久保田か?」
 
楓「…私の主人もです…」 
雅治「……」
 
楓は、水無月家を、守る為、一切の争いに、関わらず、中立を誓った
 
茜は、父をも、倒すと、飛び出した
 
水無月の恥は、水無月の手で、と…
 
しかし、久保田にも、裏切られ
 
茜の立場も、苦しい
 
あの、爺さんの意向で、今、茜は、動いているが
爺さん…病を患ってるらしい……
 
楓「どうか、水無月を、救って頂きたいのです…」
 
 
雅治「なぁ…楓さんよ…」 「俺は、自分の為に、必 死に戦ってるだけだ…」 
 「俺に、そんな力はない …」
 
茜「…あるわ……貴方には 、凄い、力、が…」
 
雅治「買い被るなよ…」
 
茜「もし、それが出来る時 が来たら…力を貸して下 さいますか?」
 
雅治「…よく、わからない が、俺に、出来るならな 」
 
楓「雅治様、ありがとうご ざいます」
 
雅治「どのみち、…今は、 やらなければならない事 がある……その、後だ」 
 
夜遅く、茜と楓と3人で、話した結果、意外な事実がわかった
 
鎌倉に残された、母の写真、ちぎられた、半分が
ここにあった
 
何故、ちぎったのか…
 
写真は、暗号になっていた…

全ての写真を、繋ぎ合わせると
どれも、同じ地で撮られていた事がわかる
 
写真の方角を、地図上に、線を引くと
 
……群馬だ……
 
群馬のどこかに、完成品が眠ってる事になる
 
雅治「手掛かりが、少ない な…」
 
楓「もっと、調べてみます 、写真、お預かりしても よろしいですか?」
 
雅治「かまわんよ」
 
どうりで…笑顔が少ない写真なわけだ…
 
誰が、撮ったんだ?…
この、写真を… 
 
茜「疲れたわね…」
 
雅治「俺は、痛いよ…」
 
楓「申し訳ありません…」 
雅治「済んだ事、もういい よ…」
 「しかし、いい女だな、 楓さんも…」
 
楓「…お望みでしたら、床 を一緒に準備させますが …」
 
雅治「…なんか、おかしく ない?」
 
茜「…そういう、しきたり なの…」
 「詫びを乞うときは、女 を差し出すの…」
 「だから、私達は、普段 、妊娠しない処置をして るの…」
 「無理やり、身籠らせて 、って事も、昔はあった ようだからね」
 
雅治「案外、俺は、そうし て生まれたのかもな」
 

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