《MUMEI》

「大丈夫かー? 無理せんときや―?」





あいつ──真面目やから気ぃ付けて見てないつまでも走りそうな気ぃするんよな‥。





持久走やっ時‥

学期始めに捻挫した位やし‥。






「──っ────」

「なぁ、ちょっとええか?」

「ぇ、ぁ‥はい──」

「しんどくなる前に、一端休憩取った方がええと思うで」

「──大丈夫です、まだ──」

「走れんくなってもうたら、練習する意味のうなってまうやん?」

「───────」

「大丈夫や、今年こそ完走出来るようになるでな。心配せんとき」

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