《MUMEI》 悪天候“何だか今日は天気がかんばしくないな‥。雷神がお怒りか──” しずくは椅子の上で膝を抱えて、 小さく溜め息をついた。 “──光、お前は雷が恐ろしくないのか?” 「小さい頃は苦手だったけど──今は平気だよ」 “そうか──‥光は強いな” 「ぇ?」 “私にも雷にも動じんとは” 「あの──」 “ん‥?” 「しずく──寂しかった?」 “な‥いきなり何を言うのだ” 「僕だったら寂しいから」 “私はただ‥暗い天井裏が嫌だったというだけだ。それに元々──私のような妖は人とは関わらんしな” 「どうして?」 “──だから‥” しずくは、 溜め息混じりに言った。 ・ “妖だからだ” 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |