《MUMEI》

地下牢のベッドで〜
ケインはジェルマに
傷口を見せていた。


『ケイン〜僕のせい
で…ごめんなさい。
痛むよね?

そして、ありがとう
頼みを聞いてくれて
…仲間を助けてくれ
たね。』


うっすらと碧眼に涙
を潤ませてケインを
見詰めた。


『フッ…別に。お前
が俺様の頼みを聞く
からやっただけだ!

忘れてないだろな?』


『覚えているよ、ケ
イン、でも〜頼みっ
て何なの?僕に出来
る事?』


その時ケインは、ジ
ェルマの手を取って
手の甲に口づけをし
た。


『ああ…お前にしか
出来ない事だよ、ジ
ェルマ。』


ビクッ…
な、何?なんか嫌な
予感がする…


ニヤリ…
ケインの手が、ジェ
ルマの手首を強く握
り締めた。


『ちょ…ちょっと痛
いよ…ケ…イン?』

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